歴史 伊勢うどん考

いりこでとったダシとたまり醤油をブレンドした濃厚なタレと、
讃岐うどんのほぼ2倍の太さで、歯ごたえはやや滑らかな麺が
特徴の不思議な伊勢うどん。
素朴な味にも古い歴史が詰まっているのです・・・



『おかげ参りと伊勢うどん』

伊勢にやってきた人に「一度食べてごらん、びっくりするよ!」といえるのが、『伊勢うどん』です。昔は単に素うどんと呼ばれ、古く江戸時代以前よりこの地の農民が、うどんに地味噌から出来た「たまり」を少しかけて食べていたのが始まりで、その後、いりこや鰹節でとっただし汁を加え食べやすくしたものを、およそ360年前に浦田町橋本屋七代目、小倉小兵さんがうどん屋として開業して出された、と言われています。

伊勢神宮

徳川幕府により天下が統一され、世の中が落ち着くと、全国に街道が整えられ、それにより、庶民の間でもお伊勢参りが行われるようになりました。一時はこのお伊勢参りがブームとなり、いわゆる「おかげ参り」がそれで、宝永2年(1705)から、享保、明和、文政とほぼ60年に一度の間隔で大流行し、その数は約2ヶ月で365万人、文政の頃にはおよそ500万人だと言われています。当時、全国民数約3000万人だといわれていますから、この数は驚異的な数字ですね!それら、おかげ参りに訪れた旅人のおなかを温かくもてなしたのが、「伊勢うどん」でした。

書物でも有名な豆腐六(どぶろく)さんをはじめ、内宮さんと外宮さんとの街道沿い、遊郭古市にはいくつかのうどん屋さんが軒を連ね、大変な賑わいであったそうです。ずんぐりした太い麺と、真っ黒い濃厚なタレ・・・

この地でしか食べることの出来ない伊勢うどんは、そのおいしさとめずらしさで、お伊勢参りから帰った旅人が「食べてきたよ!」と古里の人々に語り継がれて、その存在が全国に広まっていったようです。

おかげ参り

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